一般社団法人 岡山経済同友会 okayama association of corporate executive

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2016/06/25

第29回全国経済同友会セミナー

過去最多1420人集う 岡山では初開催
 「世界に輝く地域を創ろう~桃太郎の郷(くに)から発進~」テーマに
   基調講演 5分科会などで日本活性化策探る

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 第29回全国経済同友会セミナーが4月14日(木)、15日(金)、岡山市北区のホテルグランヴィア岡山をメーン会場に岡山市で初めて開かれた。全国44経済同友会の共催で行われ、1420人と過去最多の会員らが参加、総合テーマ「世界に輝く地域を創ろう~桃太郎の郷(くに)から発進~」のもと基調講演、分科会など開き日本の活性化策を探った。
開会式で隅修三全国経済同友会セミナー企画委員会委員長(経済同友会副代表幹事)が「地方経済の主役は企業であり、われわれこそ地方創生の真の担い手である。政府や自治体に要望するのではなく、自分たちができることから取り組んでいこう」と述べ、萩原邦章岡山経済同友会代表幹事は歓迎あいさつとして「勇気の象徴の犬、知恵の猿、情報収集のキジ、これらを従えた桃太郎の情熱と挑戦で少子高齢化、人口減少といった閉鎖的な日本の活性化策を地方から発進するため、一緒に考えよう」と語った。基調講演で英誌エコノミスト元編集長のビル・エモット氏は「『地域』から日はまた昇る~Local powerhouses in a global economy~」と題し「世界経済は困難な時代を迎えている。中央政府頼みでの問題解決は期待できない。より良い未来は地域レベルでつくっていくべきだ」とし地方にある知性やエネルギー、歴史、文化などの資源の活用がチャンスにつながる、と強調した。
 分科会は「日本ものづくりの復権~オープンイノベーションによる新たな価値創造~」など5つのテーマで活発な意見交換を行い、岡山は広島経済同友会とともに第3分科会「医療・介護改革で世界の先端を行く安全安心な社会を」を担当、IHN(統合医療ネットワーク)の実現などを中心に議論した。
懇親会は岡山の郷土料理、備前焼のぐい飲みなどが大人気で、その後に開かれたサーカス・ナイトでは、岡山が発祥の木下サーカスが猛獣こそ出さないが本番さながらの迫力満点の演技で参加者たちも驚き、感動にあふれた。
 1日目の日程がほぼ終了した午後9時26分、熊本地震が発生した。
2日目は5分科会の議長が議論の経過や結果を発表。小林喜光(公社)経済同友会代表幹事が総括あいさつとして「持続可能な社会の実現に向け、新たな挑戦が求められる。明治以来、中央集権体制下で日本の社会は成り立ってきたが地方が主導し、地方が主役になる時代が到来した。今回のセミナーの成果をそれぞれが持ち帰って実践、日本を再興してもらいたい」と述べた。この後、熊本地震の被災者に対し義援金を募った。浄財は103万円が集まった。
 特別講演で大原謙一郎(公財)大原美術館理事長は「文化・芸術・人文学の力…経済人の視点から考える…」と題して話した。「戦後、日本のリーダーや経済人たちは、古き衣を脱ぎ捨てて新しい衣をまとう際、文化・芸術・人文学の力を見つめ直した。世界が大きく動いている今、これらの力を考え直すことは重要だ」と前置き、「文化は国の立ち位置を決める大きな力となる。美術館は文化・文明の理解と融和を進めるための道具であり、大原美術館は多文化理解の装置、世界につながる美術館でありたい」などと語った。
 閉会式で岡山経済同友会の松田久代表幹事は「各地が力を伸ばしていけば、東京を経由しなくても、直接世界に発信できる。全国の同友会が協力して実行力を高めていこう」と締めくくった。
 この後、各地同友会のメンバーはバスでエクスカーションに出発した。
 岡山経済同友会が全国セミナー招致を公表したのは平成23年1月の新年祝賀互礼会で、これで足掛け5年のプロジェクトが終了した。

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