代表幹事あいさつ
ごあいさつ
世界ではグローバル化の進展による中間層の疲弊、難民の増加、インフレ等への不満から、ポピュリズムへの流れが高まり、米国ではトランプ政権発足の原動力となりました。一方日本においても貧富の差の拡大にともなう社会の分断は、
憂慮すべき状態にあると感じています。多くの国々が自国ファーストを唱える世界は軋轢をうみ、持続可能とは到底考えられません。
岡山経済同友会は2020年に取りまとめた提言書「地域全体で取り組むSDGs先進県」を指針として、持続可能な社会の実現に取り組んで参りました。日本では古来より商売の仕方として「三方よし」があり、“自己”や“顧客”の利益だけ
でなく、“社会全体”の利益も考える必要を教えています。SDGsを“社会全体の利益を計る物差し”として、「三方よし」の考えを現代に活かしていきたいと思います。
また、昨年度末には大学コンソーシアム岡山の活性化を目指し、「若者が夢を持って活躍できる岡山への転換」を提言書として取りまとめました。持続可能な社会を実現するためには、社会の活性化、とりわけイノベーションの推進が重要
となります。その担い手である若者が活躍できる社会を醸成することは、我々経営者にも求められています。岡山には18の大学があり、約4万人の学生と3900名の教員が在籍しています。この若者の力と知の集積を、大学コンソーシアムを通し
て活用することで、地域のイノベーション推進と活性化につなげて参ります。
そして、SDGs達成の過程や大学コンソーシアムの活用を通して「ウェルビーイングを実感できる岡山」を目指して参ります。その実現のためには、これまでの枠を超え、世代を超え、社会活動における全てのステークホルダーが持続可能な
社会に向けて、自ら率先して変化していくことが必要です。まさに、現状の課題への対応を進めると同時に、将来の新たな価値の創造に向けて、長期的な視点に立脚した戦略の創造と実行すること、つまり「両利きの経営」を実践することで、
「ウェルビーイングを実感できる岡山」の実現にむけて努力して参ります。
引き続き、皆様のご支援ご協力をお願い申し上げます。
一般社団法人岡山経済同友会
代表幹事 中島 義雄