一般社団法人 岡山経済同友会 okayama association of corporate executive

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令和5年度事業計画【基本方針と運営指針】                        【令和5年5月】

■基本方針


 昨年度は、新型コロナウイルス感染症は感染拡大を繰り返したが、大きな行動制限はなくウィズコロナで経済活動 との両立が進められた。年後半には海外渡航の制限も緩やかになり、視察やビジネスを中心に海外渡航も増えてきた。一方で、2022年2月に勃発したロシアによるウクライナ侵攻は収束の兆しが見えず、ロシアへの制裁が世界経済に も大きな影響を与え、エネルギー、食糧資源等の高騰につながり、物価が急上昇するなど企業活動並びに日常生活に大きな影響を与えている。日本では円安も加わり、生活を直撃する事態になっており、国も懸命な対策を打っているが、 賃金アップが強く求められる状況になっている。
 2025年には「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、「未来社会の実験場」をコンセプトとして大阪・関西万博が開催される。準備は佳境に入っており、瀬戸内国際芸術祭、おかやま芸術交流の開催年でもあり、万博を活用して 岡山地域の発信、発展にも結び付ける準備をしていきたい。
 新型コロナウイルスについては、感染の終息は見通せないものの、ウィズコロナで様々な活動を活発化していく段階に入った。当会としても医療機関の状況を把握しつつ、感染防止対策を適切にとったうえで、積極的に活動を展開
したい。
 (一社)岡山経済同友会では、提言書「地域全体で取り組むSDGs先進県へ」の実現に向けて、会内外と連携してSDGsの推進に積極的に取り組んできた。産官学金言で推進してきた「おかやまSDGsアワード」は3回を数え、多くの企業や団体のSDGsの取り組み事例を集約し、お互いのネットワークの構築にも寄与してきた。今後もSDGs達成に向けて継続した展開が大切である。
 SDGsの根本は人権問題であり、平和とパートナーシップの実現が全てのカギを握る。ユネスコ憲章前文には「戦争は人の心の中で生れるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない。」とある。人はそれぞ
れ違う、文化も違う、その違いを相互に理解し、認め合うことの重要性が説かれ、教育の重要性が示されている。違うものの相互理解は困難なことではあるが、まずは身近なところからお互いの違いを理解し、相互依存し、協力して
平和な地域社会をつくることが必要である。地域循環をベースとしたローカルSDGsを構築し、そのうえで世界や異文化とつながっていく。
 DX、GXをはじめ技術革新が進めば進むほど人間とは何か、社会とは何か、幸せの本質を突き詰めたイノベーションが必要になる。今後も提言書を指針に、「SDGsと人間の幸せ」をテーマに、地域課題解決のプラットフォームづくり
に会員とともに取り組んでいきたい。
 岡山には産官学金言民による協働の場として、おかやま円卓会議や岡山地域発展協議体、大学コンソーシアム岡山等があるが、さらなる機能強化と充実が必要である。現在の地域課題は行政や経済界、大学や市民団体がばらばらで
対処したのでは解決せず、真の連携、協働が必要である。それぞれに異なる文化を持ちコミュニケーションをとることは難しいのが現状であるが、持ち味を生かし合い協働して取り組む土壌こそが地域創生の根幹である。また、持続
可能な地方創生には次世代の果たす役割が非常に大きい。次世代がこの地域で仕事をし、この地域をより良い地域にするという意思と行動が なければ持続可能な地域も地方創生も実現しない。学校教育とも連携して子供たちに地域課
題解決の主体者として関わってもらう必要がある。文部科学省が学校に提示した、社会に開かれた教育課程の実現は学校教育の問題ではなく、地域社会そのものの課題であり、経済界としても主体的に関わる必要を感じている。教育
機関と関わるコミュニティを構築し、次世代と共に育ち合う関係をSDGs、地方創生と絡めながら構築していきたい。


■運営指針


1. 持続可能な地域づくり ・〇SDGsに関わる先進的事例の聴講や外部講師による講演等を通じ、SDGsの実践事例
  を研究し、各委員会や会員の活動に反映させる。
・〇産官学金言民と連携しながら地域循環共生圏の実現、持続可能な地域社会や企業のあり方、
  社会課題解決型ビジネス等について調査・研究し、その内容を共有・発信する。
・〇地域で育まれた風土、文化・歴史、スポーツ等を活用し、多様性を包摂する地域
  活性化や観光に繋げていくことを探る。
・〇「おかやまSDGsアワ-ド」等の継続的発展に向けた取り組みを支援する。(SDGs推進)
・〇気候変動への対応やカーボンニュートラルに向けたエネルギー問題、災害時の備え、
  海ごみ問題等の環境問題について理解を深め、災害対応と併せ地域と連携して行動する
  方法を検討する。
・〇地域課題解決や企業の生産性・付加価値向上および働き方改革に繋がるDXに関する
  調査・研究に取り組む。
・◇持続可能な社会づくりに向けたイノベーションを発掘し、育てる環境づくりを推進する。
・◇コロナ禍やデジタル田園健康特区構想で重要性が明らかになった医療の地域包括的な
  連携の仕組みづくりを推進する。
・〇大学の高度人材をニ-ズのある企業とマッチングするスキ-ムの検討に取り組む。
・〇地域活性化のモデルとなる海外の先進事例を視察し、国際感覚の醸成に努める。
・〇各地の経済同友会や各種団体と情報交換・交流を行い、新たな地域づくりに活かす。
・◇大阪・関西万博の情報を収集し、おかやまの発展に活用する方法を考える。
2. 明日の郷土を担う人づくり
・〇県内の大学等に講師を派遣し人材育成に努める。
・〇県内の大学等のインタ-ンップ制度に協力する。
・〇岡山大学産業経営研究会および岡山県産業教育振興事業(高校教諭等)へ研究助成を行う。
・〇産学官連携による教育フォーラムを実施する。
・〇SDGs推進をテーマに高校生への「おかやまSDGsマップ」「BeLive」事業をサポートする。
・◇大学コンソーシアム岡山の組織強化と活用を推進し、次代を担う人材の育成と地域課題
  解決のプラットフォームを構築する。
・◇教育委員会等との連携を深め、社会に開かれた教育課程の実現に積極的に寄与する。
3. 強靭な組織づくり
・〇適切な予算管理とスケジュール管理を行い、提言等を見据えた計画的な事業運営に努める。
・〇会員の参加意識向上に繋げるため、運営面のデジタル化に取り組む。
・〇会員構成や組織運営のあり方を検討し、持続可能性の高い体制づくりに努める。
・〇ホームページ等を活用し、活動内容の発信を継続的に実施する。