2016/09/20
7月定例幹事会
「関西と岡山~瀬戸内の文化・芸術と地方創生~」
大林剛郎㈱大林組会長の講演聴く
7月定例幹事会兼政策委員会特別例会が7月12日(火)、岡山市北区のホテルで開かれ、松田久、松田正己両代表幹事や担当の大月隆行政策委員長など会員約140人が出席、新入会員の承認、交代会員の紹介、最近の会活動の状況や今後の予定などの報告の後、大林剛郎㈱大林組代表取締役会長の講演「関西と岡山~瀬戸内の文化・芸術と地方創生~」を熱心に聴いた。
冒頭あいさつで、松田久代表幹事は、第3次安倍政権発足後初の大型国政選挙となった第24回参院選で与党の自公が大勝したことに触れ「投票率は54.70%と前回13年をやや上回ったのはよかった。しかし、今回は18歳選挙権が初めて適用されたが投票率は45.45%で期待よりも低かったといえる。結果的には、自公大勝でさらにアベノミクスを進めていくということになるのだろう。ただ、金融政策だけで乗り切るのは無理があり、少し時間をかけても、中小零細企業の技術力を高め、生産性の向上につながる政策に予算を配分すべきだ」などと語った。
さて、三菱自動車工業水島製作所(倉敷市)はこの4日、燃費データ不正問題で停止していた軽自動車の生産を約2か月半ぶりに再開した。今後、徐々に生産ペースを上げ、20日には本格稼働させる、という。同問題は三菱自動車本体だけでなく、岡山県内の経済や雇用に大きな影響を及ぼしていただけに、会員である同水島製作所の野村泰弘副所長が特別に発言を求め「岡山全体で支えていただいたことに感謝するとともに、これを肝に銘じ精進していく。8月には元の生産体制に戻し頑張りたい」と述べた。
講演に移り、大林会長は「建築の側面から地方を見ると、東京の受注の伸びは顕著だが、関西は少ない状況だ。東京一極集中を打破するには面白く、素晴らしい地方が多く出てこないといけない」と指摘した上で「地方は東京を物差しにするのではなく、東京にないものやアジア、世界にないものをどれだけたくさん持っているかを重視すべきだ」とした。関西人から見た岡山のポテンシャルについては「岡山には瀬戸内海がある。瀬戸内海の景観の美しさは世界のどこにも負けないと断言できる」と語り、「倉敷の大原美術館のすばらしさは言うまでもないが、尾道市、高松市牟礼町、愛媛県上島町なども魅力あるスポットだ」と述べた。ところで、戦後の地域振興は産業誘致が基本だったが、残念ながら産業の生産拠点は中国、ベトナム、バングラデシュなど賃金の安い地域に移っており、「岡山は美しい景観や文化を持っているのだから積極的に活用すべきだ。瀬戸内海を中心に各県が文化をキーワードに集まりその後に産業を見直すのもよい」とし「都市開発と地域振興にはまず、地域の連携が不可欠で、その上で現代文化と伝統文化、歴史としては史跡やお祭り、新しい産業の育成と伝統産業を守ることが大切だ」などと強調した。